2016年12月 2日 (金)

2017年・中国の祝日、休日

2017年の一部の祝日の設定に関する通知」(关于2017年部分节假日安排的通知)(2016年12月1日公布、同日施行)について説明します。

これは、2017年の何月何日が中国の祝日にあたるかを示す、国務院弁公庁の通知です。

中国の祝日の大部分(元旦、国慶節と労働節は違いますが)は、旧暦(太陰暦)に従っている関係で、西暦の暦のうえでは日付が毎年異なってきます。

そこで、「来年の春節は○月○日からだね。」といった話がなされる訳です。

特に春節国慶節は、中国最大の祝日であり、この期間中は中国ビジネスがストップする(さらに、その直前の数日間はスローダウンする)で、スケジュールを把握しておく(忘れない)ことが肝心です。

また、中国の祝日については、代替出勤日(連休の前後の土曜日および/または日曜日が出勤日となる)というものが設けられています。

中国で勤務されている方は、代替出勤日を忘れると、いつの間にか無断欠勤になってしまうので、お互い声を掛け合うなどして注意するようにしましょう。
(※会社によっては、代替出勤日について若干の調整がなされている場合があります。各社の扱いをよく確認して下さい。)

本通知によれば、2017年の中国の祝日は以下のとおりです。

1.元旦: 1月1日(日曜なので、2日(月曜)が休みとなり、土日と合わせて3連休)

2.春節: 1月27日から2月2日まで(土日を含んで7連休、1月22日(日曜)と2月4日(土曜)は出勤

3.清明節: 4月2日から4日まで(日月火と3連休、1日(土曜)は出勤

4.労働節: 5月1日(月曜なので、土日と合わせて3連休)

5.端午節: 5月28日から30日まで(日月火と3連休、27日(土曜)は出勤

6.中秋節・国慶節: 10月1日から8日まで(土日を含んで8連休、9月30日(土曜)は出勤

おおお!そう来たかっ! 

中秋節と国慶節が完全に合体しましたね。
2016年の土日連続出勤(平日と合わせて7日間の連続出勤)が、やはり評判悪かったのでしょう。

春節休みは、2016年に引き続き、除夕(大晦日)から始まっています。これは、実家から離れた土地で働く人たちに配慮して2015年から変更された扱いです。特に理由がない限り、これは今後も続くのでしょうね。

全体を見ると、2014年からの特徴である、代替出勤日をできるだけ設けないようにするという方針が、一層進んだように思います。

2017年の休日設定は、これまでと比べて最も不満が少ないスケジュールといえるのではないでしょうか? 少なくとも、秋の休暇が分断され、おまけに7日間の連続出勤があった2016年よりは、のびのびと秋の長期休暇を満喫できるはずです。

近年では、春節と国慶節の期間中、中国国内だけでなく、日本国内の観光名所を含め、外国の観光スポットがかなり混雑します。特に、2017年は10月1日から8日まで、8日間の大型連休となるので、この期間中は、国内外を含め、旅行しないほうが吉かも知れません。飛行機やホテルを予約しにくくなりますし。行くなら国内の穴場がお勧めです。逆に、インバウンド狙いの観点からは絶好の商機となることでしょう。この期間は、旅行よりも商売に精を出しましょう!

本ブログがほとんど更新されない状態に陥っており、大変恐縮です。
今年は、外貨管理規制の緩和、外商投資企業の設立・変更手続の改正、そして最近ではサイバーセキュリティ法の成立等、非常に重要な立法が目白押しなのですが、本業との兼ね合いもあり、なかなかブログに書けず今に至ってしまいました。

近いうちに、別の形で情報提供させて頂ければと存じます。

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2016年2月 6日 (土)

「水平的独占的協定案件リニエンシー制度適用ガイドライン(意見募集稿)」・その8

前回のつづきです。

以上、本ガイドラインの内容を紹介してきました。

新しい内容が結構たくさん盛り込まれており、当局の実務も変化している(又は、変化していく)のだなぁと、改めて(久々に)感心しました

最近、本ガイドラインを含め、独禁法関連のガイドラインの意見募集稿が相次いで公表されました。本ブログでの紹介は本ガイドラインのみに止めますが、ともあれ、当局が引き続き実務を洗練させると共に、ガイドラインを充実させることで予見可能性を高めてくれることを、心より期待しています

【本ブログの更新が滞りがちになっていますが、作成者本人は至って元気ですので、ご安心ください。】

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「水平的独占的協定案件リニエンシー制度適用ガイドライン(意見募集稿)」・その7

前回のつづきです。

8.事業者への告知

当局は、行政処罰事前告知書の発行前に、事業者に対し、リニエンシーにおける順位を書面で告知します(第11条第1項)。

その後、当局は、行政処罰事前告知書の中に、リニエンシー付与の結果及び理由について記載します。これに対し、当事者は、意見を陳述し、又は公聴会の開催を要求することができます(第15条第1項)。

当局は、最終決定から20営業日以内に、処罰免除決定書又は行政処罰決定書を公開します。このように、決定書の公開は避けられないのですが、現在の実務では、当局と交渉の上、部分的に黒塗りをすることが認められており(公開時には、黒塗り部分は「(略)」と表示されます。)この扱いは今後も続くものと予想されます。

9.その他

当局は、事業者がリニエンシー申請のために提出した報告及び資料を、事業者の同意を得ることなく対外的に開示することができず他の機関、組織、個人はこれを調査閲覧する権利を有しないとされています(第16条第1項)。

また、これらの資料は、法律に別段の定めのある場合を除き、関連する民事訴訟における証拠として使用することができないとされています(同条項)。

加えて、当局がリニエンシーを与えない場合には、事業者から提供を受けた資料を、当該事業者による独占的協定への関与を認定する証拠として用いてはならないとされています(第16条第2項)。

次回につづきます。

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「水平的独占的協定案件リニエンシー制度適用ガイドライン(意見募集稿)」・その6

前回のつづきです。

7.リニエンシーの内容

付与されるリニエンシーの内容は、リニエンシー申請の時間的順位に応じて異なってきます。

ただし、他の経営者を強迫又は組織して独占的協定を成立、実施させた事業者、及び、他の事業者による当該違法行為の停止を妨害した事業者については、一般に、処罰を免除することはできない(処罰の減軽は可能)とされていることから(第10条第2項)、そのような事業者が時間的に第一順位であった場合、当該事業者は第二順位とされ(情状が悪質な場合には順位を取り消され)、下の事業者が順次繰り上がることとされています(第11条第2項、第3項)。

このようにして順位が決まると、以下の内容が適用されます(第13条)。

 (i) 第一順位の事業者については、罰金の免除又は80%以上の減軽をすることができる(当局が調査を開始する前にリニエンシーを申請して第一順位となった事業者については、罰金を免除する
 (ii) 第二順位の事業者については、30%から50%までの幅で罰金を減軽することができる。
 (iii) 第三順位以下の事業者については、30%以下の幅で罰金を減軽することができる。

中国のリニエンシーは、付与するか否かが当局の裁量に委ねられているため、「減軽することが『できる』」と定められているのですが、当局が調査を開始する前にリニエンシーを申請して第一順位となった事業者については「罰金を免除する」と規定されているのが目を惹きます。

また、これまで、中国のリニエンシーといえば罰金の減免のみを指していました(法令上は「処罰」とされているのですが、運用上は罰金の減免にとどまっていました。)。しかし、本ガイドラインは、「当局は、本ガイドライン第13条を参考として、事業者の違法所得の没収の減免を検討することができる。」と規定し(第14条)、違法所得の没収についてもリニエンシーを適用する可能性を拓きました。

一見、事業者にとって有利な扱いのようにも思われますが、実は、この点が実務に与える影響は微妙です。というのは、これまでは、(少なくとも、大規模な国際カルテル案件については)リニエンシーの適用される事案において、違法所得の没収は基本的に行われていなかったからです。たとえば、売上の10%の罰金を宣告されたもののリニエンシーの適用により60%の減軽を認められた事業者は、売上の4%の罰金を納めれば足り、それに加えて違法所得を没収されるということには、なっていませんでした。(これには実務上の理由があるのですが、ここで書くには些か不適切な内容ですので、お許しを。)

法律上は、独占的協定が実施された場合には、違法所得の没収と罰金を併せ課すこととされています(独禁法第46条第1項前段。なお、独占的協定が実施されていない場合には罰金のみ。同条項後段)。これが本来の扱いであること、及び、本ガイドラインに(意見募集稿とはいえ)上記のような規定が入ったことから考えると、今後は、違法所得の没収についても、罰金と同じ比率で減免されるという扱いがなされることになるかも知れません

次回につづきます。

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2016年2月 5日 (金)

「水平的独占的協定案件リニエンシー制度適用ガイドライン(意見募集稿)」・その5

前回のつづきです。

6.リニエンシー付与の条件

本ガイドラインによれば、事業者がリニエンシーの適用を受けるには、リニエンシー申請又は「初歩報告」を行った後、以下の義務を全面的に履行する必要があるとのことです。

 (1) 被疑行為の即時の停止(ただし、当局が継続を要求した場合を除く)
 (2) 当局による調査への、迅速、継続的、全面かつ誠実な協力
 (3) 証拠資料及び情報の適切な保管及び提供
 (4) 当局の同意を得ることなく、当局へのリニエンシー申請の状況について外部に開示しないこと
 (5) 独禁法の円滑な執行に影響するその他の行為をしないこと

このうち(4)は、最終稿までに削除又は修正されている可能性が高いと思います。FTCや欧州委員会が黙っていないでしょうので(JFTCにも是非意見を出して頂きたいです。)。国際的なカルテル案件において、中国当局は、他国でのリニエンシー申請状況について質問してきます自分たちは質問して答えさせておいて、他国の当局からの質問には答えるなというのは、いくら何でも通らないでしょう

上記とは全く別の話ですが、本ガイドラインは、リニエンシーを受けることのできる事業者の数を制限しています。すなわち、同一の案件について、当局がリニエンシーを付与することができるのは、一般には最大で3つの事業者に限られます(第12条第2項)。ただし、重大複雑で、事業者の数が多く、かつ、リニエンシーを申請した事業者がそれぞれ異なる重要証拠資料を提供した場合には、当局は4つ以上の事業者にリニエンシーを付与することができるとされています(同条項)。

次回につづきます。

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「水平的独占的協定案件リニエンシー制度適用ガイドライン(意見募集稿)」・その4

前回のつづきです。

5.報告の内容

前回述べたとおり、リニエンシーの申請においては、独占的協定(カルテル)に関する事情の報告と共に、重要な証拠資料を提出する必要があります(第6条第1項)

ここでいう「事情の報告」とは、独占的協定(価格カルテル、市場分割カルテル等)の成立及び実施に関する具体的な事情を詳細に説明することを指し、以下の情報をカバーすることを要します(第6条第2項)。

 (1) 独占的協定の参加者及びその基本情報(名称、住所、連絡方法及び「参与代表」(※意味不明です。)を含む。)
 (2) 独占的協定の連絡のなされた状況(連絡の時間、場所、内容及び具体的な参加者
 (3) 独占的協定と関連する製品又はサービス、価格、数量等
 (4) 影響のある地理的範囲及び市場規模
 (5) 継続期間
 (6) 事業者の提供した証拠に関する説明

また、「重要な証拠資料」とは、

 (a) 当局が案件の手掛かり又は証拠を有していない状態においては、当局をして独禁法第39条(※これは第38条の誤りと思われます。最終版までに要修正。)に従って調査を開始させるに足るだけの証拠を指し、

 (b) 当局が調査手続を開始した後においては、独占的協定の最終的な認定に顕著な価値増加作用をもつ証拠を指します(第6条第3項)。

場合分けをしているのが興味深いですね

なお、上記のうち(b)には、以下のものが含まれるとのことです(同条項)。

 (1) 独占的協定の成立方式及び実施行為に関して、より大きな証明力又は補充証明価値を有する証拠
 (2) 独占的協定の内容、成立及び実施の時間、関連する製品又はサービスの範囲、参与者等に関して、補充証明価値を有する証拠
 (3) 独占的協定の証明力を強化することのできるその他の証拠

次回につづきます。

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「水平的独占的協定案件リニエンシー制度適用ガイドライン(意見募集稿)」・その3

前回のつづきです。

4.申請の流れ

リニエンシーの申請においては、独占的協定(カルテル)に関する事情の報告と共に、重要な証拠資料を提出する必要があります(第6条第1項)。

もっとも、現実には、よほど単純な事案を除き、申請を決断してから提出資料が完全に揃うまで、かなりの日数を要することが多いです。

そこで、本ガイドラインは、いきなり正式な申請を行うという方法の他に、まず「初歩報告」(一応の報告)として事案の基礎事情のみ報告し、当局の提示した期間内(一般的には30日以下の日数(特殊な場合は60日)が提示されます。)に資料を補充提出するという方法を設けました(第7条第1項、第2項)。

当局の要求に応じた資料を上記期間内に提出できた場合、「初歩報告」を行った日時がリニエンシー申請の日時として扱われます。他方、提出できなかった場合には、当該事業者はリニエンシー申請をまだ行っていないものと扱われます。

事業者がリニエンシーの申請又は「初歩報告」を行うと、当局は内部で登録処理を行い、7営業日以内に当該事業者に対して書面意見を発行します(第9条第1項)。

事業者が(初歩報告ではなく)リニエンシーの申請を行った場合であって、提出された資料に不備があるときは、上記の書面意見の中で補正の必要性が記載され、それに応じて資料の補正を完了した日時が、リニエンシーの正式申請の日時となります(第9条第2項)。

なお、事業者が(初歩報告ではなく)リニエンシーの正式申請を行った場合であって、提出された資料に補正が必要である(ただし、提出された資料によって事案の基礎事情は説明できている)ときは、初歩報告として扱われ、その旨が書面意見に記載されるとのことです(第7条第3項)。

この規定と上記の補正の話(第9条第2項)との関係が、読んでいていまいち分かりませんでした。ここら辺は条文の内容が練られていないということで、最終稿までに修正されるこのではないかと思います。

次回につづきます。

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「水平的独占的協定案件リニエンシー制度適用ガイドライン(意見募集稿)」・その2

前回のつづきです。

以下では、本ガイドラインの内容を紹介していきます。

1.リニエンシーの概念

本ガイドラインにおいて、リニエンシーとは、事業者が自発的に当局に対し独占的協定の成立に関する事情を報告し、かつ重要な証拠を提供することで、当局が当該事業者に対する処罰を減軽又は免除することができるという制度を指します(第1条)。

「減軽又は免除することが『できる』」という部分に引っかかりを感じる方がおられるかも知れませんが、上記は独禁法第46条第2項の文言をなぞっただけなので、ここで発展改革委員会に文句を言っても仕方ありません。

2.リニエンシーの目的

本ガイドラインによれば、水平的独占的協定(価格カルテル、市場分割カルテル等)に関するリニエンシー制度の目的は、当局による違法行為の発見、調査及び処分の効率向上行政コストの節約、そして消費者利益の保護であるとのことです(第2条)。

この点、独禁法の目的は、「消費者の利益及び社会公共の利益を保護し、社会主義市場経済の健康な発展を促進すること」(同法第1条)と書かれています。これと比べるとわかるのですが、本ガイドラインは、「社会公共の利益」「社会主義市場経済」という言葉を省いており、消費者にアピールする体裁になっています。

この部分は最終稿までに修正されるかも知れませんが、国家発展改革委員会の視点というか、「こう見せたい」という気持ちが伝わってきて、面白いですね。

3.事前相談

リニエンシーの申請は、当局による調査の開始前はもちろん、開始後にも行うことができるのですが(第4条)、リニエンシーを申請する前に、口頭又は書面により当局に相談することができます(第5条)。

この事前相談(原語は「事前コミュニケーション」)は、実名でも匿名でも可能とされています(同条)。

次回につづきます。

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「水平的独占的協定案件リニエンシー制度適用ガイドライン(意見募集稿)」・その1

水平的独占的協定案件リニエンシー制度適用ガイドライン(意見募集稿)」(中国語:横向垄断协议案件宽大制度适用指南(征求意见稿))(以下「本ガイドライン」)について説明します。

本ガイドラインは、国家発展改革委員会が2016年2月2日付けで公表した、水平的独占的協定(価格カルテル、市場分割カルテル等)に関するリニエンシー制度の具体的な運用ルールを定めたガイドラインです。

ただし、今回ご紹介する本ガイドラインは、意見募集稿(パブリックコメント募集版)であって、実際に適用されるものではありません。誤解のないようお願い致します。

本ガイドラインに対する意見は、2016年2月3日から同月22日までの期間中、国家発展改革委員会価格監督局のウェブサイト(http://jjs.ndrc.gov.cn/)を通じて提出することができます(詳しくは、http://www.sdpc.gov.cn/gzdt/201602/t20160203_774297.html)。

本ガイドラインは、基本的には、国家発展改革委員会による現在の実務を反映したものですが、一部、特殊な内容も含まれていて、なかなか興味深い仕上がりになっています

次回に続きます。

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2015年12月14日 (月)

2016年・中国の祝日、休日

2016年の一部の祝日の設定に関する通知」(关于2016年部分节假日安排的通知)(2015年12月10日公布、同日施行)について説明します。

これは、2016年の何月何日が中国の祝日にあたるかを示す、国務院弁公庁の通知です。

中国の祝日の大部分(元旦、国慶節と労働節は違いますが)は、旧暦(太陰暦)に従っている関係で、西暦の暦のうえでは日付が毎年異なってきます。

そこで、「来年の春節は○月○日からだね。」といった話がなされる訳です。

特に春節国慶節は、中国最大の祝日であり、この期間中は中国ビジネスがストップする(さらに、その直前の数日間はスローダウンする)で、スケジュールを把握しておく(忘れない)ことが肝心です。

また、中国の祝日については、代替出勤日(連休の前後の土曜日および/または日曜日が出勤日となる)というものが設けられています。

中国で勤務されている方は、代替出勤日を忘れると、いつの間にか無断欠勤になってしまうので、お互い声を掛け合うなどして注意するようにしましょう。
(※会社によっては、代替出勤日について若干の調整がなされている場合があります。各社の扱いをよく確認して下さい。)

本通知によれば、2016年の中国の祝日は以下のとおりです。

1.元旦: 1月1日(金曜なので、土日と合わせて3連休)

2.春節: 2月7日から2月13日まで(土日を含んで7連休)、2月6日(土曜)、2月14日(日曜)は出勤

3.清明節: 4月4日(月曜なので、土日と合わせて3連休)

4.労働節: 5月1日(日曜なので、5月2日(月曜)が代休となり、3連休)

5.端午節: 6月9日から11日まで6月12日(日曜)は出勤

6.中秋節: 9月15日から9月17日まで9月18日(日曜)は出勤

7.国慶節: 10月1日から7日まで(土日を含んで7連休)、10月8日(土曜)、9日(日曜)は出勤

2016年は、2014年からの特徴である、代替出勤日をできるだけ設けないようにするという方針が維持されています。

ただし、2016年は、2014年および2015年には無かった土日連続出勤(平日と合わせて7日間の連続出勤)が存在します。国慶節明けの10月8日(土曜)から14日(金曜)までの7日間がそうです。これは、現地で働く人にとっては辛いですね。また、このような期間は事務効率や生産性が低下しがちなので、公的機関の手続等が遅延する可能性もあるので、要注意です。

春節休みは、2015年に引き続き、除夕(大晦日)から始まっています。これは、実家から離れた土地で働く人たちに配慮して2015年から変更された扱いです。

中秋節と国慶節の間隔は、2016年は13日も開いていますので、両者を繋げるのは、一般の勤め人には無理でしょう。

2016年の休日設定は、2013年までに比べれば不満が少ないでしょうが、秋が多少寂しい(そして多少辛い)分、2015年よりは盛り上がりに欠けるのではと思います

最後に、春節と国慶節の期間中は、中国国内の混雑ぶりが酷いので、旅行に行くなら中国以外の国に行くことをお勧めする旨、毎年指摘してきましたが、そんなことを言われなくても綺麗な空気を吸いに日本やその他の外国に行く人が多いでしょうので、指摘する意味は年々薄れているかも知れませんね・・・。

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2015年2月11日 (水)

独禁法違反に基づくクアルコムの処罰(市場支配的地位濫用行為)・その3

前回のつづきです。

本件の出現まで、企業が中国の独占禁止法に違反したことで多額の罰金を課された事案は、全て価格カルテル再販売価格維持合意のケースでした。

しかし、今回、市場支配的地位の濫用の事案で多額の罰金が課されました。しかも過去最高額(中国の独占禁止法に基づく処罰として)です。今後は、市場支配的地位の濫用についてのリスクを、これまで以上に重視する必要があるでしょう(リスク評価の変更)。

とりわけ、特許等の知財を中国国内で(または中国国内に)ライセンスしている企業については、この機会にライセンス契約の実務を再チェックすることをお勧め致します。
特に、(a)ライセンシーの保有する知財をライセンサーに対し無償でライセンスさせる条項が含まれていないか、(b)期間の切れた特許についてライセンス料が生じる内容になっていないか、(c)ライセンシーにとって不要な知財が抱き合わされていないかという点についてチェックしましょう。
うちは市場支配的地位がないから大丈夫。」と思っていても、関連市場が狭く認定されたり特許の保有が重視されたりすることで、思いがけず市場支配的地位が認定される可能性もあります。この点に関しては慎重に確認することをお勧め致します。

市場支配的地位の濫用を取り締まる機関は、法令上、価格に関する行為については発展改革部門その他の行為については工商部門とされていますが、今回の処罰は国家発展改革委員会が単独で行ったものです。
認定事実の中には「抱き合わせ」と「不合理な条件の付加」が含まれており、これらは工商部門の管轄事項のはずなのですが、価格に関する行為が含まれている事案については、事案全体につき発展改革部門が単独で調査、処罰することができるということになっているのかも知れません。

ちなみに、本件処罰の公表後、クアルコムの株価は上昇しました。本件調査は2013年11月から続いていましたが、実際に処罰がなされて不確定要素が除去されたことを、市場がプラス評価したのだと思われます。

国家発展改革委員会によれば、「クアルコムは、中国における投資の拡大を続け、更なる発展を図っていくことを表明している。国家発展改革委員会は、クアルコムが中国において投資を継続することにつき歓迎の意を表し、また、クアルコムがその専利保護を受けた技術の使用について合理的な専利料を収受することを支持する。」とのことです。

そうですか・・・

このブログのいつもの論調だと、国内企業の保護だとか外資狙い撃ちだとか言うのですが、本件は市場支配的地位の濫用の事案で、圧倒的に優位な地位を背景に巨利を得ていたという事案ですので、何とも。。。

とにかく、当局による今後の運用が無闇に拡張されないことを祈ります

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独禁法違反に基づくクアルコムの処罰(市場支配的地位濫用行為)・その2

前回のつづきです。

前回述べた行為により、クアルコムは、国家発展改革委員会から60億8800万人民元の罰金を課されました。これは、2013年度におけるクアルコムの中国市場での売上の8%に相当する金額とのことです。

この8%という数字は、微妙な数字です。法律上、市場支配的地位の濫用に対する罰金は、前年度売上の1%から10%とされています。国家発展改革委員会の発表文は、処罰の内容を導く部分において、クアルコムの行為は「性質が重く、程度が深く、継続期間が長い」と記載しているため、当局がこれを重大な行為と見ていたことが分かります。

ではなぜ最高の10%ではなく8%だったかというと、クアルコムが当局の調査に協力し、自ら是正措置を採ったからであると思われます。

国家発展改革委員会の発表によれば、クアルコムは調査に協力し、包括的な是正措置を自発的に提出したとのことです。是正措置は無線規格に必要な専利のライセンスに関するもので、以下の内容を含みます。
(1) 中国国内で使用または販売される携帯電話について、携帯電話の完成品の卸売販売価格の65%の専利ライセンス料を収受する。
(2) 中国のライセンシーに専利をライセンスするときは、専利リストを提供しなければならず、期間の過ぎた専利についてライセンス料を収受してはならない。
(3) 中国のライセンシーに対し、無償での専利ライセンスを要求しない
(4) 無線規格に必要な専利をライセンスするときは、正当な理由なく、無線規格に不要な専利を抱き合わせてはならない
(5) ベースバンドチップを販売するときは、中国のライセンサーに対して、不合理な条件を含むライセンス契約の締結を求めず、また、専利ライセンス契約を争わないことを、中国のライセンシーに対してベースバンドチップを供給する条件としない

上記(1)は具体的な料率に関する約束であるため特殊ですが、(2)から(5)は、今回違法とされた行為を今後はしないという内容に過ぎず、積極的な内容ではありません。欧米の報道では、クアルコムが8%で合意して支払ったというような、和解金的な言い方がなされていますが、実際、8%という比率は、おそらくクアルコムと国家発展改革委員会との交渉の結果なのでしょうし、そうすると、上記(1)から(5)は和解内容としての条件のようなものなのでしょう。

次回につづきます。

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独禁法違反に基づくクアルコムの処罰(市場支配的地位濫用行為)・その1

2015年2月10日、国家発展改革委員会は、独占禁止法違反を理由としてクアルコムに違法行為の停止を命じ、併せて60億8800万人民元の罰金を課したことを公表しました。60億8800万人民元というのは、今のレートで約1150億円。中国における独禁法違反の罰金として過去最高額です。クアルコムは、この処罰につき争わないことを表明しました。

クアルコムの違法行為につき、報道では「優越的地位の乱用」などと言われていますが、中国法上の用語では「市場支配的地位の濫用」です。国家発展改革委員会の発表によれば、クアルコムは、CDMA、WCDMA、LTEの無線通信規格に必要な専利(特許、実用新案、意匠を総称する言葉。以下同様。)のライセンス市場およびベースバンドチップ市場において市場支配的地位を有しており、以下に掲げる「市場支配的地位の濫用」行為をしたとのことです。

(1) 不公平に高額な専利ライセンス料の収受

(a) クアルコムは、中国企業に対し、専利をライセンスするにあたり、専利リストの提供を拒み期間の切れた専利が含まれている状態でライセンス料を収受した。
(b) クアルコムは、中国のライセンシーに対し、ライセンシーの有する専利をクアルコムに対し無償でライセンスすることを要求し、その対価をライセンス料から控除することを拒んだ。
(c) クアルコムは、規格に必要とされない専利まで含む包括的なライセンスを拒絶した中国のライセンシーに対し、ライセンス料率をやや高く維持するとともに、無線通信機器(携帯電話等)の完成品の卸売価格を基準に専利ライセンス料を収受した。

以上の要素の結合により、ライセンス料が過度に高額となった。

(2) 正当な理由のない抱き合わせ

クアルコムは、無線通信規格に必要な専利と無線通信規格に不要な専利を区別してそれぞれをライセンスするのではなく、無線通信規格に必要な専利のライセンス市場での支配的地位を利用して、正当な理由なく、無線通信規格に不要な専利のライセンスを抱き合わせた。これにより、中国のライセンシーの一部は、無線通信規格に不要な専利のライセンスの取得をクアルコムから強いられた。

(3) 不合理な条件の付加

クアルコムは、専利ライセンス契約を締結し、これを争わないことを、中国のライセンシーがクアルコムのベースバンドチップの供給を受ける条件とした。潜在的なライセンシーが上記の不合理な条件を含む専利ライセンス契約を締結せず、またはライセンシーが専利ライセンス契約について紛争を生じさせて訴訟を提起した場合、クアルコムはベースバンドチップの供給を拒絶する。
クアルコムはベースバンドチップ市場において市場支配的地位を有しているため、中国のライセンシーはクアルコムのベースバンドチップに高度に依存しており、クアルコムがベースバンドチップの販売において不合理な条件を付したことで、中国のライセンシーは不公平、不合理な専利ライセンス条件の受け容れを強いられた。

上記(1)(2)(3)の行為は、市場の競争を排除、制限し、技術のイノベーションおよび発展を阻害および抑制し、消費者の利益を害するものであって、中国の独占禁止法に違反するものと評価されました。

発展改革委員会の発表文には記載がありませんでしたが、上記の適用条文は独占禁止法第17条第1項第1号および第5号のはずです。

次回につづきます。

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2015年1月24日 (土)

CIETACが上海分会と華南分会を「再編」・その5

前回の続きです。

以上、本公告の内容および実務上の対処方法について説明してきました。

CIETACの騒動については、最高人民法院が「仲裁司法審査案件の正確な審理についての関連問題に関する通知」を出した2013年9月4日以降、一応沈静化していたのですが、ここにきてまさかのCIETACによる巻き返しです。

上海国際経済貿易仲裁委員会」は、2013年10月に「中国(上海)自由貿易試験区仲裁院」を設立し、中央政府の公認の下、堂々と活動しています(国際仲裁手続の充実は自由貿易試験区の売りの一つとされています。)。最高人民法院も、上記通知を出した後、いずれの仲裁機関の裁決も裁判所で執行可能であるという立場を採っており、国際的には、「分裂して恥ずかしかったけど、みんな有効だということで、まぁ一応落ち着いたね(気持ち悪いところはあるけど)。」という感じでした。

そのような状態に石を投げ入れて波紋を呼んだのがCIETACによる本公告です。この期に及んで、「CIETACの授権を得ない限り、他のいかなる機構も、上記に関連する案件を受理する権限を有しない。」などと述べているのは、一体何事でしょう(「上記に関連する案件」とは、当事者間において「CIETAC華南分会」「CIETAC上海分会」と合意された案件を指します。)。これが中国式「面子」というものなのかも知れませんが、外から見てると、「まだやってたのか。」「いい加減にしろ。」「恥ずかしい。」という感想しか出てきません。

実際には、最高人民法院などの機関が非常にしっかりしていますので、本公告の内容がいくらアレでも、今回の「再編」により中国の司法が混乱を来す可能性は低いと思います。

ただし、中国の政治や社会は私ごときが占えるほど単純ではありません少しでも安全な方法、手堅い方法を選んで進めて行くのが、実務における対処としては正解なのだろうと考えています。

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CIETACが上海分会と華南分会を「再編」・その4

前回の続きです。

前回ご説明したのは、既に「CIETAC上海分会」「CIETAC華南分会」と仲裁条項に書かれている案件についての話です。しかし、今後新たに契約を作成するときに仲裁条項をどのように書くべきか、という問題も気になりますよね。

これについても、私の意見は、本ブログで以前述べた内容と概ね同様です。

すなわち、上海市内で法的手続を行いたいのであれば、中国国内契約の場合は、仲裁ではなく訴訟をお勧めします。

日中間の契約については、判決の相互執行が認められていないため、仲裁を選ぶことになりますが、どうしても上海市内で仲裁手続を行いたいということであれば、執行の場所が上海市内であれば「上海国際経済貿易仲裁委員会」、上海市外であればCIETAC上海分会(「中国国際経済貿易仲裁委員会上海分会」)とするのが良いと思います(上海仲裁委員会という選択肢もありますが、国際仲裁の経験、実力という観点からは、正直言って、あまりお勧めできません。)。そのようにしておけば、執行段階において裁判所が余計な抵抗感を持たずに執行してくれると予想されるからです(一般的な執行難の問題は別。)。

この点、仲裁条項に「中国国際経済貿易仲裁委員会上海分会」と書いておけば、今回の再編で実体をもったCEITAC上海分会にも、「上海国際経済貿易仲裁委員会」にも、どちらにも仲裁を申し立てることができ、執行場所に応じた柔軟な使い分けが可能であるようにも思われます。しかし、本公告により「中国国際経済貿易仲裁委員会上海分会」が実体を持つに至った現在においては、仲裁条項に「中国国際経済貿易仲裁委員会上海分会」と記載された案件について「上海国際経済貿易仲裁委員会」に仲裁を申し立てた場合、相手方から異議を申し立てられる可能性が非常に高いと思われます。したがって、本ブログの2013年4月の記事で書いた内容とは異なり、今後は、想定される執行の場所が上海市内であれば「上海国際経済貿易仲裁委員会」、上海市外であればCIETAC上海分会(「中国国際経済貿易仲裁委員会上海分会」)と決め打って記載することをお勧めします。

他方、どうしても広東省内で手続を行いたいということであれば、想定される執行の場所が広東省内であれば「華南国際経済貿易仲裁委員会」、広東省外であればCIETAC華南分会(「中国国際経済貿易仲裁委員会華南分会」)と書くことをお勧めします。理由は上海の場合と同様です。更に、広東省の人民法院は地方保護主義の点で心配なので、裁判所をお勧めできないということもあります。国際契約であれば香港での仲裁をお勧めしますが、中国国内契約については、域外の仲裁を受けることができない(裁決が執行されない可能性が高い)ため、やむを得ず上記をお勧めする次第です。

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